ポリオワクチンと三種混合ワクチンについて

今年の8月に日本小児科学会が学童期以降の百日咳とポリオの免疫を維持するために就学前の三種混合ワクチンと不活化ポリオワクチンの追加接種についての推奨を提言しました。

ポリオワクチンは4種混合の中に入っておりますので4回接種で十分に抗体が上がりますが、周囲にポリオウイルスが無い所で生活していると抗体は次第に下がってきますので4歳過ぎるころには低下がみられ、そのまま防御レベルを下まわってしまうと、もし流行が始まった場合には感染してしまう危険性が出てきます。日本ではポリオは現在発生していないものの、海外では流行している地域はまだあり、ポリオは感染しても症状が現れない不顕性感染が多いと言われていますのでそこからのウイルス持ち込みがあれば流行する危険性は否定できません。

麻痺性ポリオは感染の1%以下とは言われていますが、発熱で発症し数日には麻痺をおこし麻痺は一生残ります。脳にウイルスが侵入すると命にかかわります。

感染しない為にはポリオワクチン接種が有効です。任意接種で有料にはなりますがワクチン接種をお勧めします。

 

百日咳は風邪症状で発症します、初期は風邪と区別がつきません。次第に咳き込みがみられ発作性の咳込や吸気時にヒュー音が聞かれるのが特徴で、咳がひどい場合呼吸困難や乳児では無呼吸発作をおこし百日咳脳症を起こすことも有ります。百日咳の症状は百日咳菌の毒素で起こるため、初期に診断がつけば抗菌剤で治療すると軽症化できますが、初期に診断がつくのはなかなか困難な場合が多いです。

百日咳は名前のごとく咳が長期間続くのが特徴で、飛沫感染で感染しますので家族内感染や集団感染がおこりやすいです。4種混合の中に百日咳ワクチンも入っていますが、ポリオと同じように追加接種をしないと抗体が下がり感染しやすくなります。その為就学前に三種混合ワクチン(百日咳、ジフテリア、破傷風ワクチン)を追加接種し11~12歳に行う二種混合(ジフテリア、破傷風ワクチン)の時に三種混合で追加免疫を行うことが推奨されています。

三種混合は任意接種の為有料とはなりますが接種をお勧めします。